色々な土地における料理は、古来より培われた、その土地土地における調味料などで彩られ料理として完成する。
そこには、水や空気や、それに土までもが関わりを持ち、味の文化を作り上げていっているのではないだろうか?
6月に「銀座三河屋」の煎酒と「久原本家 茅乃舎(かやのや)」のだしを紹介したが、今日は過去に紹介したことがある調味料について、西日本における特徴あるものについてまとめて再度書くことにする。
さて、私も福岡に住むまでは「柚子こしょう」の存在など知らなかった。しかし、一方では、近年テレビなどで紹介されて一気に人気が出た調味料などもある。情報化や物流システムが進化した今、昔からの郷土の味といわれるものが、だんだんと全国均一化されているし、別な観点では、全国どこでも色々な風土の味を楽しめるようになってきたとも言えなくはない。
まずは、地元石川県の調味料から。石川で有名な調味料といえば、「いしる(いしり)」である。
\
「いしる」とは能登地方のイカの塩漬けからできる魚醤(ぎょしょう)のことで、いわば醤油のこと。色々な料理の味付けに使うと、旨みが出て美味しい。
こちらは、いまは名前が「ふらっと」に変わった、人気の民宿「さんなみ」自家製の「いしり」である。
こちらの写真の右側は、その「いしる」を使ったドレッシング。これは輪島の温泉旅館「能登の庄」で出された朝食のサラダ用のドレッシングである。旨みが凝縮されている感じがする。
こちらは、同じ能登の羽咋にある「浜商店」の「柚子なんば」である。石川では、唐辛子のことを「なんば」と呼ぶ。つまりは、後ほど紹介する福岡の「柚子こしょう」と同じであるが、こちらのほうが塩気と水分量が多い。湯豆腐や煮物などに合う。
お次は福岡。先ほども出てきたが「柚子こしょう」は、もはや九州だけではなく全国的にも広がってきた調味料ではないだろうか?
私も最初は博多餃子につけて食べるくらいだったが、福岡に住んでいる2年間で、色々な料理に使うようになってきた。石川に戻ってきた今も我が家の常備調味料の一つとなっている。我が家では佐賀の竹八さんの「あらびき柚子こしょう」の緑と赤を使っている。ここのは唐辛子があらびきとなっているのがいい。
あと、最近我が家では使わなくなってしまったのが「ゆずすこ」である。先ほどの柚子こしょうの液体版で、まぁ、タバスコのような感じかな?
こちらの「魔法の食べるオリーブオイル」は、一時ブームとなった「食べるラー油」のあとに出されたもので、福岡の西鉄グランドホテルの総料理長、磯山俊二氏がフランス農事功労章である「シュヴァリエ章」を受章したことを記念して発売したもの。唐辛子、ブラックペッパー、柚子こしょうの3種ある。
スペイン産の上質なオリーブオイルとアンチョビペーストをベースに、ガーリックフライやアーモンド、世界各国から集めた香辛料などをブレンドして出来上がっている。
ブラックペッパー味は、バケットにそのままつけても美味しい。ほのかに黒胡椒のピリッとした辛味とオリーブオイルのコクと旨みがいい感じで混ざっている。イタリアンだけではなく、和の食材にも合いそうだ!?
さて、その「食べるラー油」であるが、私が大阪に住んでいたときに常備していたのは、これから紹介する二品。
京都ホテルオークラの人気の「食べるラー油」と、
同じく京都の「舞妓はんひぃ~ひぃ~」である。最近は買っていない。
京都ホテルオークラのは人気だったが、最近もそうなのかな?
同じく京都の調味料で我が家の定番の七味が、この「原了郭」の「黒七味」である。
麺類、特にうどんやそばに欠かせないのが「原了郭」の黒七味。その名の通り黒い七味。「原了郭」の当主が一子相伝の技で揉むから黒くなるのだそうだ。
まず、香りが素晴らしい!ちょっと山椒のような香りがするが、かけると鼻にいい香りが届き、ピリッとした、かといって舌がしびれるような辛さではなく、とても「和」の料理に合う七味なのである。これだけでダシのうまさが引き立つのである。また、山椒の香りがきいているので、うなぎやドジョウの蒲焼にかけても美味しい。
最後は関西ではおなじみで、最近では全国的にも名が知られるようになってきた「神戸味覇(ウエイパー)」。
関西の家庭では中華料理には欠かせない調味料で、これだけで中華スープも即席で作れたり、確かに中華料理のワンポイントの味付けにいい。
余談ではあるが、化学調味料は今は「うま味調味料」と呼ばれている。日本標準商品分類記載によると、うま味調味料とは、「料理のうま味(こんぶのうま味、かつおのうま味、しいたけのうま味等)を増す調味料」のことだそうだ。
以上、いくつか紹介してきたが、料理にあわせて調味料をチョイスして、より美味しく「食」を楽しんでみてはいかがだろうか?
この記事が気に入ってくださったら下記をクリックお願いします。
最近のコメント