石川グルメ(珍味)

2013/05/29

石川(加賀能登)・福岡(有明)他全国の郷土色あふれる珍味・食材・料理など

今日は全国の郷土色あふれる珍味・食材・料理などを取り上げてみたい。

大昔に書いたことがあったが、日本三大珍味とは、唐墨(からすみ)、海鼠腸(このわた)、海胆(うに)だということである。

これは、江戸時代、長崎奉行の「からすみ」、尾張公の「このわた」、越前公の「雲丹」が三大珍味と呼ばれていた由縁だそうだが、近年は海胆の代わりに「フグの卵巣の糠漬け」を入れることがある。

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猛毒を持つフグの卵巣を使った「フグの卵巣の糠漬け」は、全国で唯一石川県だけで作ることが出来る、まさに珍味なのだ。写真は金沢の「寿し・地もの酒菜高崎屋」で出された「ふぐの粕漬けと卵巣の糠漬け」。そのまま食べると少し塩辛いが、茶漬けで食べると美味しい。

ちなみに「このわた」とは、なまこの内臓を塩漬けしたもの。「くちこ」はなまこの卵巣で、両方とも石川県の能登地方が産地として有名である。

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この「このわた」は塩漬けされているので、ほぼ生状態で食べるが、「くちこ」は天日干で乾燥させた干くちこを炙って食べると酒のつまみとして最高である。ただ、珍味ゆえ値段がはるので、そんなに食べられるわけではないが……。

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写真の「干くちこ」は、七尾の「なまこや」がやっている食事どころ「海ごちそう」で食べたもの。

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あと、なまこ自体も、ある意味グロテスクな食べ物である。冬の時期のなまこもコリッとした食感で美味しいが、保存するために能登では天日干をして干なまことしている。

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「からすみ」も石川県が産地として有名である。写真は小松にある日本料理のお店「ふじ田」で出されたもの。

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あと、珍味といえるかどうかはわからないが、石川では、ドジョウは唐揚げではなく蒲焼で食べるのが一般的である。金沢や小松では昔から蒲焼のほうが人気があった。

写真は、小松の「かけだ」のドジョウの蒲焼である。これも私の好きな食べ物の一つだが、近年、一本100円ほどになってしまったのと、ドジョウ自体が獲れなくなってきたために、食べる機会がめっきり減った。

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金沢のゴリの佃煮も珍味と言えるだろう?これは、小松の「すみげん」のもの。

酒のつまみといえば、石川のお隣。富山と福井にも多い。

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富山の「くろづくり」は、イカスミを入れて作ったイカの塩辛。写真は「越中富山 幸のこわけ」というブランドで売られていた「いか黒作り」。富山湾で水揚げされたスルメイカを塩とわたであえ、いか墨を加えてコクを出した塩辛だそうだ。さすがにコクがあった。

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福井の「へしこ」は、鯖に塩を振ってぬか漬けにしたものである。若狭地方の伝統料理として、最近は全国的にも有名となってきた。写真は小松の居酒屋「三昧耶」で食べたもの。

九州の有明地方も珍味の宝庫である。有明海は干潟で有名だが、その干潟で獲れる変わった生き物たちを使った珍味を紹介したい。

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まずは、こちらは意外と知られていると思うが、ムツゴロウ。普通は甘露煮で食べる。まぁ、金沢のゴリの佃煮のようなもの。

こちらの地方の方言で「ワケノシンノス」と呼ばれているイソギンチャクも、日常の食材としているところは、この地方だけ。

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味噌煮付けで食べるが、グニュコリッとした食感である。

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こちらは「めかじゃ」と呼ばれるもの。別名「緑三味線」とも呼ばれている。一見、貝のような腕足類と呼ばれる生き物の仲間である。新生代から形を変えずに生き続けている世界最古の生きた化石だそうだ。

これらは九州、柳川にある柳川藩主の立花邸「御花」で食べた品々である。

あと、福岡では「あぶってかも」「おきゅうと」なども変わった名前の福岡名物である。「おきゅうと」とは福岡独特のもので、エゴノリという海藻から作られる。食感はトコロテンのような感じで、味はほんのりと磯の香りがする。

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「あぶってかも」は魚で、スズキ目スズキ亜目スズメダイ科スズメダイ属 スズメダイが正式な名称である。スズメダイの名前は目が雀に似ていることから付けられたようであるが、この「あぶってかも」は、福岡以外ではあまり食卓には並ばないようである。

写真は私が福岡で住んでいた警固にある「魚松」で出されたもの。まぁ、両方とも、そんなに「旨い!」と叫ぶほどでもないが……。

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2005/07/28

「ごり」という川魚を知っていますか?

gori5 皆さんは「ごり」という魚をご存知だろうか?漢字では「鮴」と書く川魚である。

金沢の秋から冬にかけての味覚として知られるごりは、淡水、それも清流に棲む雑魚のハゼ科の「カジカ」のこと。ごりは、唐揚げ・照り焼き・甘露煮(佃煮)・さしみ・あらい・柳川・骨酒・吸い物などで食べられるが、最初に料理として出したのは、金沢の「ごり屋」が元祖と言われている。金沢の生んだ室生犀星や泉鏡花などの小説にも出てくる、いわば金沢らしい料理の代表格でもある。もっとも、私が食べた範囲では、ごりそのもの身を味わうというより、サクサクとした食感や風味を楽しむ、いわば珍味の部類だと思う。

私は残念ながら、から揚げと佃煮でしか、ごりを食べたことがない。「ごり屋」にも行ったことがないので、今回は、前にも紹介した小松の「すみげん」のごりの佃煮を紹介したいと思う。

「すみげん」のごりの佃煮は、加賀特産の米飴と醤油で炊き上げたもので、そんなに甘くなく、お酒のつまみによく合う逸品である。ちょっと小ぶりだが、しっかりとした歯ごたえでビールや日本酒のつまみとしては最高の一品である。

「すみげん」では、ほぼ1年中、ごりの佃煮を買い求めることが出来る。小松空港にも売っているので、空港を利用される方は一度お土産にいかがだろうか?

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2005/04/25

「なまこ」は姿形に似合わず美味しく美容にも良い

namakoya七尾市に「なまこや」という、ちょっと変わったお店がある。その名の通り、「なまこ」をメインに扱っているお店である。

その「なまこや」がやっている食事どころ「海ごちそう」に行ってきた。

なまこには、「コンドロイチン」、「カルシウム」が多く含まれ、動脈硬化の防止に効果があるそうである!
また、軟体動物であるなまこには多くのコラーゲンが含まれ、お肌にもいいそうである!?女性の皆さん、いかがかな?なまこを食べて、つやつやのお肌を作ってみては。

しかし、昔の人は、よくこんなグロテスクなものを最初食べようと思ったなぁ?感心する。グアムに行ったとき、最初足になんとも言えない感触の「なまこ」を踏んだときのことは今でも鮮明に覚えている。それほど、まず食べようと思うほうがおかしいだろうと思うのだが・・・。
しかし、金ん子(乾燥なまこ)は中国において『海の朝鮮人参』とよばれ、五臓六腑を丈夫にし、若返りの妙薬と言われているし、確かに酒のつまみとしても旨い!先人達に感謝せねばならないだろう?

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さて、「なまこや」では、なまこ料理の数々を食べることが出来る。お勧めは写真の「このわた・いくら丼」。いくらの味に濃厚なこのわたの旨みが妙にマッチして、ご飯がすすむ。
あと、「干くちこおこわセット」も女性にはいいかな?

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そうそう!隣接している「なまこや」には、なまこの加工品が揃っている。空港などで買うよりも安いようである。でも、残念なことに、なまこは新鮮なのだが、冷蔵しておかないと悪くなる。遠くから来た人はクール便で送るといいだろう。

私のブログで「このわた」「くちこ」について書いた記事はこちらを見てください。

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2005/03/14

ある意味グロテスクなナマコからこんな美味なるものが

konowatakuchiko日本三大珍味といえば、唐墨(からすみ) 海鼠腸(このわた) 海胆(うに) のことを指す。いずれも大量製造がしにくく、入手困難であったことにより日本三大珍味と言われていたようである。

今日は、そのうちの一つ「このわた」を紹介しよう!また同じナマコからとれる珍味「くちこ」もあわせて紹介したいと思う。

海鼠(ナマコ)の腸の塩漬けを「このわた」という。また卵巣の素干しを干口子(ヒグチコ)といって辛口の人には、幻の酒肴として珍重されている。ナマコは口から産卵するので「くちこ」と呼ばれているし、時にはナマコの子であるから「このこ」、三味線のバチのように三角形に干すので「バチコ」と呼んだりもする。

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能登のナマコは、日本海の荒波にもまれ、身が締まりよく、とても美味しい。そのナマコから作られる「このわた」と「クチコ」も当然美味しいし、全国から注文が来る。
もう、この時期では生産は終わったかもしれないし、新鮮な「このわた」は手に入りにくいかもしれないが、「クチコ」のほうは天日干ししているので、もう少しの期間は楽しむことが出来る。

「このわた」は竹の筒の入っているものがいい。そのまま器に盛り、酒の肴として食べるが、海の香りがして酒が進む。「クチコ」は少し火で炙って食べるのがいい。こちらも熱燗と一緒に食べると、口の中で汐の味わいが広がって美味である。

両方とも、いいものは値段も張る。「このわた」は小さな竹筒に入ったもので2・3千円。「クチコ」は小さめのもので、3千円。大きいものだと5千円以上するので、そんなに食べられるものでもないが、能登の温泉旅館なでに行くと夕食に出てくるところもあるし、寿司屋さんではメニューに「このわた」などを書いてあるところもたまにある。

昔のように、冷蔵庫のなかった時代には、新鮮な海産物はとても貴重品であった。そんな時代だからこそ、三大珍味と呼ばれるこれらのものは珍重されたのかもしれない。しかし、保存技術が発達した今は、逆に人手に頼る加工技術の担い手が不足し、さらには新鮮な素材が近海でなかなか手に入らなくなっていることなどで生産量が激減し手に入りにくくなっているのかもしれない。このような珍味がずっと食べられるように願うばかりである。

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2005/01/15

猛毒を持つフグの卵巣も石川では旨いものに変身する「すみげん」

sumigenフグは毒を持っていることは皆さんのご存知のことだと思う。「フグは食べたし命は惜しし」 と昔から言われ、フグ一匹で人間を30人ほど殺すことが出来るという。

そのフグの部位でも卵巣は特に危ないところであるが、その猛毒も菌の力にかかると、美味なものに変身するのである。ただし、このフグの卵巣も石川県以外に作ることは出来ない。江戸時代の昔より食べられていたという事実により、特に食品衛生法で石川県のふぐの子糠漬だけ製造を許可されているのである。なぜ毒が消えるのかはよくわかっていないが、毒は漬け込んで3年で消えるのである。たぶん、多くの人がこれまでにフグの毒により死亡しただろう?その見返り神様が与えてくれた珍味かもしれない?

フグの粕漬や糠漬は、小松近郊の美川町が有名であるが、私がいつも買うのは小松の商店街にある「すみげん」というお店である。すみげんの創業は江戸時代末期の嘉永年間(1848~1854)。角谷源平が北前船によって運ばれた海産物を商ったことに始まる由緒あるお店である。

このお店のリニューアルをプロデュースしたのは、「お友達」のところでも紹介している東京の建築家、丸谷博男さん。お店は町屋の昔の家の良さを残しながら新しい粋なデザインのお店になっている。「すみげん」のご主人とも懇意にさせていただいているが、昨年、長男が帰ってきて一緒に頑張っている。ゆくゆくはあとを継ぐのではないか・・・?

さて、私がいつもお土産などに使うのは、フグの粕漬と糠漬の薄くスライスして切ってあるもの。フグの粕漬や糠漬は洗わずに薄く切って食すのが旨い。日本酒のつまみにも良し、そのまま暖かいご飯で食べても良し、お茶漬けでも美味しい。各々735円である。ホームページから地方発送も出来るので是非一度食べてみてはいかがだろうか。

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2005/01/03

冬でも旨い、どぜうの蒲焼

石川以外では、どじょうを蒲焼で食べる習慣はあまり無いみたいだが、こちらでは普段からよく食べる。

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本来なら、やはり夏のスタミナ料理の感もあるどじょうだが、蒲焼で食べるのも美味しい。
特に、夏ならビールによく合うし、冬なら熱燗のつまみでも美味しい。

小松にも「かけだ」という、うなぎとどじょうを美味しく食べさせてくれるお店がある。
いつも、盆と正月は50本買って、みんなで食べる。

いまでは、1串70円もするほどの、高級(?)料理になった感もあるが、どじょうのさくさくした食感と苦味。また、たれがほどよくからんで酒のつまみには最高である。まさに大人の味といえるかもしれない。

うなぎ どじょう「かけだ」
石川県小松市日の出町3丁目173
0761-21-6774

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