早いもので、私のブログの記事数も今日の記事で2222番目である。
2222番目の記念すべき記事として、今日は石川・大阪・福岡の食文化と食の周辺に関して一考察してみたい。
このブログを始めて8年3ヶ月。たまたまというか、その間に石川、大阪、福岡の3ヶ所の土地に住むことが出来た。石川3年2ヶ月、大阪3年1ヶ月、福岡2年の内訳となっている。
どの土地も、「食」に関して全国的にも名が知れた場所であり、3ヶ所全てで美味しいものを食べることが出来たことはとても幸せだった。
このあたりで、この3つの土地の「食」に関しての違いというか特徴などをまとめてみたいと思う。ただ、内容がアトランダムになっている点と、あくまでも個人的に感じたことを感想としてまとめたものなのでご注意を!
まず、各地の違いというか特徴は、石川は「食材」と「食の場」として特徴があり、大阪は「ダシ」の文化と「くいだおれ」の街、福岡は「ご当地グルメ」の宝庫である。
石川の食文化は加賀百万石の文化に育まれ発達してきた。武家と町民の文化がいい意味で融合して花開いた面があるのではないかと思う。
「街の風情」「湿度が高い」「白山の恵みである水」「九谷焼や輪島塗に代表される粋な器」「日本海からの恵まれた魚介の贈り物」「豊かな土壌が生み出す加賀野菜」などの影響でバランスよく発達してきて、今日の食文化を形成していると考える。特に「水」の良さが与える影響が大きいかもしれない。
ただ、「加賀料理」というカテゴリーとしての特徴はあれど、個々の料理や、現代におけるご当地グルメの領域では、あまり、石川県で思い出す料理や食材の固有名詞が少ない。たとえば、ずわいガニでいえば、福井では「越前ガニ」、山陰では「松葉ガニ」というブランドがあったが、石川県ではずっと一般名称である「ずわいガニ」と呼んできた。近年、やっと「加能ガニ」というブランドを付けてPRをしているが少し出遅れた感がある。
ブリにしても、お隣富山県の氷見漁港で水揚げされるものは「氷見ブリ」として築地でも高値を付けるが、同じ魚場で石川県産のブリはそうはいかない。そのため。石川県の漁師も氷見で水揚げするほどである。
お米もしかり、あと、石川産の「甘海老」などもブランド化を急ぐべきではないだろうか?写真は金沢東山の「鮨 みつ川」の握り。
そのほか現在よく思い出される石川の料理としては「治部煮」「かぶら寿し」などであろうか?
ちなみに、石川と福岡は日本海(福岡は玄界灘)に面している。ただ獲れる魚介は似ているようだがだいぶ違う。特に先ほどのカニでは、石川では「ずわい(加能)ガニ」が冬の名物だが、福岡ではずわいガニを食べる習慣はあまりない。
大阪は、良くも悪くも「天下の台所」である。昔から全国からあらゆる食材が集まってきている関係で、ある意味、どんな料理でもあるようか気がする。また、別な側面では戦後、商業の町として発達してきたが故に商人が集まり、そこで働く庶民が日常的に食べる食べ物が進化してきたという側面もあるのではないだろうか。
その代表格が「粉物」であり「串かつ」である。「粉物」も奥が深かったし、「串かつ」にはソース2度付け禁止のお店と、ソースが何種類か出される創作系の串かつ店の2種類に分かれているのも面白かった。
写真はミナミ法善寺の串カツの有名店「wasabi(ワサビ)」は創作串のお店で出された「サザエ」。肝のソースがいい。
あと、大阪は「ダシ」の文化も特徴で、そのため、いい日本料理屋さんがたくさんある。ただ、それらのお店はそこそこいい値段するので、何度も行くわけにはいかないが……。
そうそう!石川と大阪の共通点が一つあった。ご当地ラーメンがないこと。大阪には「高井田ラーメン」という地域のご当地ラーメンがあるし、石川には「8番ラーメン」という強力なラーメンチェーンが存在するが「ご当地ラーメン」と呼ぶには少し違う。上の写真は高井田交差点近く「ラーメン金久右衛門」の高井田ラーメンである。
麺類で思い出したが、「うどん」については石川・大阪・福岡共通の特徴がある。(おっと、福岡では「うろん」か!?)それは、うどんが柔らかいことである。ダシも澄んだ色で味的にも似ている。
ただし、近年は3つの土地ともに讃岐うどんのようなコシの強いうどんを出すお店が侵食してきた。讃岐うどん恐るべし!うどんについても後日詳しく書いてみたいと思う。
ちなにみ大阪は薄口醤油と昆布でダシをとる、福岡は薄口醤油と昆布とかつおぶしやいりこでダシをとる。小松うどんはうるめ・あじ・さばなどが使われる。若干味の違いがあるが基本は澄んだ色のだし汁となっている。
こちらは福岡のうろん(うどん)博多駅にある「大福うどん」ごぼう天うどん
このダシの旨さがあるから、お好み焼きも美味しくなるのだろう?
大阪の鮨店については、住みはじめてしばらくは気が付かなかったが、だんだんといいお店があることに気が付いた。探せばあるものだ。鮨(寿司)についても後日詳しく書きたいと思う。
最後に福岡であるが、ここは食材から料理名まで全国的に知られているものが多い。
博多・長浜(とんこつ)ラーメン、明太子、水炊き、もつ鍋、高菜、焼きラーメン、焼きカレーなどなど。あと、私も福岡に住みはじめて初めて知ったものでは、ごまさば、おきゅうと、あぶってかもなんてのもある。そういった意味では福岡は「ご当地グルメ」の宝庫と言っていい。
写真は長浜ラーメンの元祖「元祖長浜屋」のものである。(タイトルで閉店間際となっているが、閉店したのは本店のほうで、こちらの支店はまだ営業しています)
こちらは、西中洲「なぎの木」のもつ鍋である。
写真の焼きラーメンは、警固交差点の人気の屋台「けいじ」で食べた焼きラーメン。
博多餃子も一口で食べられる小さな餃子で、ビールによく合っていた。写真は博多駅前の「餃子の店 旭軒」の餃子。
あと、意外にイタメシでいいところが多かった気がする。福岡は大阪ほど街のスケールが大きくないので、街中に個人の経営するイタリア料理店も多くあり、どれも存在感があってよかった。
居酒屋も個性があって、刺身の盛り合わせは一人前でも食べきれないほどの量が出されたり、特に「ごまさば」は大のお気に入りになってしまったほどだ。
写真は、博多駅前にある「はじめの一歩」の「ごまさば」。きれいに盛られている。ここまでくると芸術品?
明太子は地元の人が日常的に食べるものではなく、あくまでも贈り物として渡すものだと知ったり、博多ラーメンで全国展開している有名どころは地元の人は好きではないこともわかった。(笑い)
鮨店も値段の割にはクオリティが高いお店が多かったことも、私が福岡を好きになった理由の一つでもある。福岡の鮨店はおつまみの種類が豊富で酒飲みにはたまらない(ただし、鮨店ではあまりつまみをたくさん頼むのは粋ではないという意見もあるが)。なお、鮨(寿司)についても、機会をみて改めて詳しく書きたいと思っている。
九州に住んでみて焼酎も日常的に飲むようになったことも、個人的には変化した点である。
何だか、とりとめのない内容になってしまったが、石川、大阪、福岡という食文化が花開いた土地に住みことが出来て、とても幸せであった。機会があれば、大阪と福岡には、これからも出かけて行って美味しいものを食べ歩きたいと思っている。
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