西日本各地の美術館紹介。石川・富山・大阪・京都・兵庫・愛媛・香川・福岡・島根・長崎・沖縄
西日本各地に住んでいて、休日などを利用して色々なところをまわった。今日は過去に行った美術館について紹介したい。(だいぶ前に書いてあった内容です^^;)
まずは地元石川県から。
金沢21世紀美術館はおなじみ。いまや日本でも有数の有名美術館になった。
建物は、いまや世界的建築家ユニットとなったSANAA。妹島&西沢さんコンビ。建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞など多数受賞している。ルーブル美術館の別館を設計したことでも有名である。
写真は有名な展示物の一つで「レアンドロのプール」。プールの中に人影が見えると思うが、これは別の通路からプルの下にいくことが出来るのだ。
あと、私の好きな展示物でもある「タレルの部屋」というのがあって、こちらは天井が切り抜かれた部屋で移りゆく空をぼーと眺めるのだが、白い天井の切り取られた部分が絵画のように思える不思議な空間である。
あと、石川県では石川県立美術館があり、こちらは、いわゆる加賀百万石時代からの石川の伝統工芸品や石川県出身もしくはゆかりの画家の絵画などを一同に見ることが出来る。
金沢21世紀美術館と石川県立美術館の「国宝薬師寺展」に出かけたときの記事はこちら。
館内には、有名なパティシエの辻口博啓さんのカフェ「ル ミュゼ ド アッシュKANAZAWA」があり、ここだけのオリジナルのスイーツなど食べることが出来る。
九谷焼美術館は加賀市大聖寺にある九谷焼に特化した県立美術館である。
だいぶ前に「古九谷浪漫 華麗なる吉田屋展」という展示会を見に行ったときのものだが、「吉田屋」とは、九谷焼中興の祖「吉田屋伝右衛門」のことで、彼が古九谷再興を目指して作った窯が「吉田屋窯」と呼ばれるものである。
「吉田屋窯」の製品は、緑、黄、紫、紺青、赤の、いわゆる九谷五彩と呼ばれる色のうち、緑、黄、紫、紺青の四彩を用いた古九谷風の作品のことを指す。特に、黄と緑の色彩が鮮やかに使われているのが印象的な焼物である。
石川県立七尾美術館は、七尾出身の長谷川等伯の作品を見ることが出来る。ただ、等伯の作品は年に100日ほどしか展示できない決まりになっているようで、いつ行っても見られるというわけではない。
石川県能登島ガラス美術館は、能登島の小高い丘の上にあるガラス専門美術館で、ピカソの案をもとにヴェネチアのガラス工房で作られた造形作品をはじめ、世界各国の現代ガラス作家の作品を中心に、300点近くの作品を所蔵している。
毛綱毅曠氏の設計の建物もユニークである。
お次は石川のお隣、富山県。
「富山県水墨美術館」は、近代日本の水墨画の歩みを辿る公立美術館である。水墨画の美術館というのも珍しい。
「近代水墨画の系譜」の展示室では、竹内栖鳳、横山大観、川合玉堂といった水墨画の代表的な作品を見ることが出来るし、富山の日本画家である下保昭氏の作品を体系的に展示している「下保昭作品室」の二つの常設展示室がある。
とても広い敷地に平屋瓦葺きの建物と広大な日本庭園。とても贅沢な造りとなっている美術館である。休日だったが、私たちが滞在していた時間帯でも他に一人しか見学客はいなかった。
「富山県立近代美術館」は、20世紀初頭から現在にいたる美術の流れを、世界・日本・富山の3つの視点から展望することをコンセプトとした美術館で、常設展示は、パブロ・ピカソ、ロートレック、ルオー、シャガール等。シュルレアリスム作家の作品のコレクションが豊富である。
関西に移ろう。まず私も3年間住んだ大阪から。
こちらは中之島にある「国立国際美術館」。設計はシーザー・ペリ。
地上には美術館の建屋はなく、ご覧のモニュメントとエントランス以外は展示スペースなどすべて地下にある珍しい造りの美術館である。収蔵品は第二次世界大戦以後の国内外の現代美術が中心で、展示スペースも、それほど大きな美術館ではない。
写真は、草間弥生の展示をしていたときのもの。
京都には、国立の美術館・博物館があり、その一つが京都国立近代美術館。
京都市美術館も、京都を代表する美術館の一つで、私が行ったときにはワシントン・ナショナル・ギャラリー展「印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」というのをやっていた。
和歌山城のすぐそばにあるのが、こちらの「和歌山近代美術館・博物館」。黒川紀章氏設計である。
関西最後は神戸。「兵庫県立美術館 芸術の館」は安藤忠雄氏の設計である。
行ってみてびっくりの大きな美術館で、随所に安藤忠雄らしさが見られる造りであった。
美術館の展示コーナーにも安藤忠雄建築研究所から寄贈された建築模型・資料類が展示されていて、彼のルーツともいえる住吉の長屋や光の教会の模型などもあって興味深く見ることが出来た。
このときは「美しき挑発 レンピッカ展」「麗子登場!-名画100年・美の競演」「コレクション展」などが開かれていた。
お次は遠く離れて山陰の松江。宍道湖畔に立つのは、島根県立美術館。ちょっと仕事の関係もあり立ち寄ったのだが、一見、空港ビルのような建築である。設計は菊竹清訓建築設計事務所。
そんなに大きな美術館ではないが、宍道湖の景観にもマッチした、柔らかな曲線で構成されたフォルムで、女性的な建築だ。
お次は四国。
愛媛県松山市の「坂の上の雲ミュージアム」。こちらも安藤忠雄氏の設計。
司馬遼太郎の長編小説「坂の上の雲」を軸としたまちづくりの中心を担う施設である。内部は安藤忠雄氏お得意のコンクリートの打ちっ放し。
こちらは瀬戸内海に浮かぶ島、直島にある「地中美術館」。こちらもまたまた安藤忠雄氏の設計の美術館。直島自体がアートの島なので、島全体が美術館のようなものだが、ここ「地中美術館」は、その中でもメインの施設となっている。
九州に飛ぼう。
福岡市美術館は大濠公園のところにある美術館で、福岡に住んでいるときは、いつも大濠公園をウォーキングするときに、敷地内を通っていた。懐かしい。
長崎に行ったときに見学した「長崎県美術館」。
このときは「北欧モダン デザイン&クラフト展」を見に行った。併設で妻の知人である城谷耕生氏も作品展をやっていた関係もあったのだが、ちょうど運良く会場に居た城谷耕生氏にもお会いできてとても良かった。(翌週からイタリアへ出かけるところで、たまたま会場に都合があって来ていたとのこと)
沖縄に飛んで、こちらは那覇の沖縄県立美術館。
同じ建物に博物館もある。美術館と博物館が同じ建物に併設されているのは珍しいのではないだろうか!?美術館のほうは沖縄の作家の展示が多かった。
最後は東京である。東京にはいっぱい美術館がありすぎて紹介できない。ひとつだけ紹介しておく。
国立新美術館には、何度か言ったことがある。写真は「大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年」のときのもの。16世紀から20世紀における西洋美術の「顔」ともいうべき名作を、その時々のキーワードを軸に紹介されていて、わかりやすい展示になっていた。
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