大阪南新町「蔵朱(クラッシュ)」は旨い料理と日本酒の熱燗で愉しむツウなお店
今日紹介する「蔵朱(クラッシュ)」はマイドームおおさかの前に位置している。
ここは日本酒がウリで、それも燗酒と、それに合う料理を提供してくれるお店である。
最近、大阪中央区でも日本酒に合う料理をメインにしておりお店も増えてきた。私のブログでも昨年紹介した、同じ谷町四丁目の「酒肴 和亭」などもそうだが、意外に激戦区かもしれない?
さて、結論から先に書くと、素直に「よかった」といえるお店である。
「蔵朱」のご主人は大阪にある飲食店の主人としては、珍しく寡黙な方である。しかし、その割には「蔵朱(クラッシュ)」という飛んでいる店名なのが面白い。彼は滋賀県の出身だそうだ。
ということで、こちらから話しかけないとしゃべらないので、少し突っ込んでお聞きしたところ、「蔵朱」はオープンしてして10年ほど経過したようだ。
料理はほぼ独学で学ばれたそうで、いまどき珍しいかもしれない。
店内には落語のBGMが流れているのも珍しい。お聞きするとご主人が落語好きということらしいが、一人で来てゆっくり酒を飲む人はいいが、複数人で来た場合、落語を聴きながらというのはなかなか難しいだろう?
そんなお店で、まず最初の一杯として頼んだのは、茨城県の木内酒造で造っている地ビールで「常陸野ネストビール」。
日本で最初のビールが作られたときのレシピを再現した秋田杉の木樽でじっくり熟成された「クラシックエール」と、英国式の醸造法で仕込まれた「ペールエール」は苺ジャムやイチヂクを思わせる香りがするアロマホップが心地いい。
料理でまず出されるのは4種類のお通し。
鱈の煮魚、ポテトサラダ、煮豆。あと左上は厚揚げとピーマンだったかな?の煮物。これらだけでも酒がすすむ。
「さわらの造り(600円)」はサバ科に属する魚だが、石川県では「さわら」は一般的にはカジキのことをそう呼ぶ。脂も上品に乗っていて美味しかった。
皮は焼いて添えられていた。これもつまみによかった。
「鯖きずし(800円)」は、いい塩梅に締められた鯖で、身に脂が乗っていてとても美味しかった。
こちらは「わかさぎ南蛮漬け(500円)」。酢の塩梅も良い。
「タコと下仁田葱のヌタ(850円)」もいい感じで酸味がきいていて美味しい。
「小松菜と湯葉 ゆずこしょうびたし(450円)」は上品な中にも、ゆずこしょうのピリッとした辛味が生きていた。
料理のどれもが日本酒、それも燗酒に合うように作られているような気がする。
最後の締めは「焼めし(750円)」をお願いした。この手のお店では「焼めし」をメニューに載せているところは少ないと思うし、これまで出された料理からして、どんな焼めしが出てくるのか興味があった。
日本酒は、私も燗酒はあまり飲む機会がなく、どれがいいのかもわからなかったので、料理に合わせて出してください!とお願いしたところ、まず出されたのがこちらの日置桜の純米吟醸「伝承強力」。
ネーミングに入っている通り、強力米を使っていて、酒の色も酸味もある個性豊かな酒である。
お次は鳥取県の太田酒造の純米酒「辨天娘」。日本酒らしい酒でしっかりとした味は燗にしても崩れない。
そして、奈良の久保本家酒造の「睡龍」。ここは生もと造りにこだわりのある酒蔵で、リンゴの皮をむいたようなラベルもユニークである。
いやはや。私が大阪に住んでいたときに、何故こちらのお店を見つけられなかったのだろう?残念だ。
2人でこれだけ飲み食いしてジャスト1万円だった。特に日本酒好きの方には満足度が高いお店である。出来れば再訪したいものだ。
蔵朱(クラッシュ)
大阪府大阪市中央区南新町2-3-1
スタークィーンビル2F
TEL 06-6944-5377
17:30~23:30
水曜休
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