九谷焼はこちらが本場?能美市「九谷陶芸村」
先日、加賀市にある「石川九谷焼美術館」を紹介した。この施設は県立の美術館である。しかしながら、現在の伝統工芸としての九谷焼の生産拠点は能美市(旧寺井町)のほうである。
工房をはじめ、九谷焼を生業として営んでいるところは、圧倒的にこちらの方が多いだろう?なぜ、石川県立の九谷の美術館が加賀市にあるのかについては、色々な理由はあるだろうが私は知らない。
今日は、そんな能美市に敬意を表して、能美市泉台町の「九谷陶芸村」にある九谷焼関連の施設を紹介しよう!
まずは、「九谷焼資料館」である。この施設は九谷焼に関しての歴史を紐解き、数々の名品を鑑賞できる施設である。残念ながら、出来てから20年以上経った施設で展示も少しばかり古くなった気もするが、九谷焼を体系立てて理解するにはいい施設であると思う。
次は「九谷焼資料館」の隣に位置する「浅蔵五十吉(あさくら・いそきち)美術館」である。この施設は旧寺井町出身の陶芸家で、平成8年に文化勲章を受けた浅蔵五十吉(1913~1998年)の代表作を紹介するために出来た施設であるが、建築的にも素晴らしい施設である。浅蔵氏と親交のあった池原義郎氏の設計。直線を活かし、玄関には円形の池を配し視覚的に奥行きと広がりを持たせている。
中は、奥行きのある一直線の展示スペースで、浅蔵五十吉の主に平成の作品を一同に見ることが出来る。
最後は、「九谷焼陶芸館」で、ここは「九谷焼資料館」の別館として平成2年に開館した。
ここでは、来訪者が簡単に陶芸に親しむことが出来るように、ロクロ、上絵付け道具、本窯、上絵窯などが設けられており、陶芸の基礎から指導員が詳しく指導してくれ、陶芸の楽しさを十分に堪能できるようである。(残念ながら私は体験したことがない)
そうそう、ここ「九谷焼陶芸」にいらっしゃる佐久間忍さん、なかなか味な作品を作ってますよ!
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コメント
あさぴーさんこんばんは
以前山代の九谷焼窯跡展示館に行った時、そこの職員の人から九谷焼きをめぐる勢力争いみたいな話をちょっと聞きましたよ。もともと古九谷の窯が山中の奥にあったのを、昔のお金持ちの商家の人が、ちょっと里におりて利便のいい山代に再興してっていうような話で、九谷の名前を寺井の方ではなばなしくつかってるのはちょっとおもしろくないみたいな・・・
スタイルや技法で見てしまうけど、発祥の土地はどこかってことなんでしょうね。メジャーになると、元祖とか、本家とか、いろいろありますよね、いろんな分野で。
投稿: neco | 2005/12/10 22:18
necoさん
こんにちは。
コメント(情報)ありがとうございます。
なるほど、いつの時代も同じようなことの繰り返しかもしれませんね?
流行れば、それを真似する。
案外、真似したほうが、いい技術や低コストで市場を席巻してしまうことも多いです。
工芸美術品といえども産業の一つ。常にいいものを作っていかないと廃れてしまいますね。
昨晩も陶芸家の北村和義さんとも話をしましたが、彼も常に新しい九谷の可能性に挑戦していかないといけないと話をしていました。
投稿: あさぴー | 2005/12/11 09:47