小松市「本陣記念美術館」の設計は黒川紀章
小松市役所のそばに芦城公園という公園がある。加賀藩の三代藩主前田利常公が晩年に居城とした小松城の三の丸跡を公園として整備したのが芦城公園である。
その外れに「本陣記念美術館」は建っている。「本陣記念美術館」は北國銀行元頭取、本陣甚一氏が収集した美術品の寄贈を受け、その美術品を市民に鑑賞してもらうために市が建てた美術館である。設計は世界的に有名な黒川紀章氏。平成2年10月に開館した。
設計のコンセプトは、この地が小松城・浮城の跡地であることから、堀の中に立つ江戸時代の土蔵をイメージして建てられたようである。所蔵品は東山魁夷・前田青邨などの日本画が中心で、あとは中川一政などの油彩画、古九谷を中心とした東洋陶磁などを見ることが出来る。
実は、建築家としては私は黒川紀章のことは、そんなには好きではない。理由は色々あるけれど、ここでは書かないが、とにもかくにも黒川紀章は有名な建築家である。その有名な建築家が、一地方都市の小さな美術館を設計してくれたのだから、それはうれしいことだけど。
彼が美術館のオープンのときに、正確には覚えていないが、「わが子供を送り出すような感慨を覚える」と言ったような記憶がある。美術館には彼の意図する意匠が散りばめられているが、その考え方を理解してみなければ何だか訳がわからないであろう。特に窓の形や位置にはこだわっているようで、小松の市章の松の形かハートの形のような「いのめ」「菱形」「三角」など、昔の蔵についている家紋などを意識したのではないかと思われる。それぞれ、明かり取りであったり、排煙用であったりするのだが、どうも私の感覚には合わないようである。(^^;;
中に入ると、小さな建物ながら、一階二階が吹き抜けになっているため、そんなに狭い感じはしない。展示スペースは主として二階にあるのだが、狭いので、じっくり展示を見ても30分あまりで全て見渡せる規模だ。
前に紹介した宮本三郎美術館にほど近い場所にあるので、合わせて行ってみてもいいかもしれない。(宮本三郎美術館は2005.11.24(木)~12.12(月)は休館中)
本陣記念美術館
小松市丸の内公園町19
TEL 0761-22-3384
休館日:月曜日(祝日に当たるときはその翌日)12月29日~1月3日、展示替え期間
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
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コメント
kapakoさん
こんばんは。
おかあさん、ミーハーなんですね!?(^^;;
まぁ、住む人のことを考えたマンションだったらいいんですが・・・?
投稿: あさぴー | 2005/11/24 20:23
うちのオカンは、鎌倉の友人のマンションは黒川記章設計なんだよ~ってキャッキャ言って泊まりに行ったことがありますだ・・・
投稿: kapako | 2005/11/24 17:04