北大路魯山人と須田菁華は山代温泉の粋を育む宝かな?
北大路魯山人といえば、希代の美食家であり芸術家であったことは多くの人が知っているだろう?「食」を芸術の域にまで昇華させたのも北大路魯山人だと言っても過言ではないだろう?
北大路魯山人が陶芸の道に入ったのは、山代温泉における出来事が大きく影響しているようである。もし、山代温泉に逗留しなければ、魯山人の人生は大きく変わったかもしれない?
魯山人が九谷焼窯元である初代須田菁華を訪れたのは大正4年。初めて陶芸家の仕事を見た魯山人は、 陶芸の制作現場に大いに興味を抱き、九谷焼の絵付けを行い、作陶に目覚めたようである。
魯山人は後に「料理とは、単に舌先 だけで味わうものではない。 器がくだらないものでは料理も生きない」と述べているように、後々の彼の料理と、後に主宰する美食倶楽部、さらには器に傾倒するなど、彼の原点はこのときだったのかもしれない?
魯山人は、その後、織部、瀬戸、備前など、さまざまな焼き物の制作にも挑戦して、名声を高めていくのである。
この山代温泉には、北大路魯山人が逗留していたときに住んでいた家が公開されている。「魯山人寓居跡いろは草庵」である。ここで魯山人の原点を垣間見ることが出来る。
さて、魯山人に陶芸を教えた初代須田菁華であるが、めったに人を誉めない魯山人ですら、初代須田菁華のことを、「翁は当代陶磁界における第一の異才なり」と最大級の賛辞を贈っている。よほど、影響を受けたのだろう?
なんと、1年も山代温泉に逗留して、手ほどきを受けている。
現在の須田菁華は四代目である。山代温泉の女生水の近くに工房とお店を構えている。
彼の作品は、自由奔放な筆使いでトンボや紙風船などをモチーフにしたものなど、どこかホッとする作品が多く、私も好きな作家である。もちろん、お値段もそこそこするので、そんなに買えるものでもなく、いつも客人を案内したときなども、指をくわえているだけなのだが・・・。(^^;;
須田菁華窯
加賀市山代温泉東山町4
TEL 0761-76-0008
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